モハメッド氏との再会と巡り合わせ
2019年の年明け、私は偶然Facebookでモハメッド氏の名前を見つけました。彼のプロフィールには全く活動している様子がなく、連絡先も載っていませんでしたが、私はメッセージを送り電話番号を残しておきました。連絡が来るかどうかも分からず、期待を抱くことなく日々を過ごしていたところ、約1か月後、突然電話が鳴りました。
それは、何とモハメッド氏からの電話でした。
暫くの雑談の後、「みきさん、今、ネクタロームを日本で売っているでしょう?」という彼の言葉に驚きを隠せませんでした。
なぜそのことを知っているのかを尋ねると、彼は落ち着いた声で答えました。「それはネクタロームの社長から聞いたんですよ。」さらに驚きが続きました。
「どうして社長を知っているの?」と問い詰める私に、モハメッド氏は静かに笑って言いました。
「ネクタロームの社長は、僕の幼馴染なんですよ。僕のマラケシュの実家の前が彼の家だった。昔、彼に空手を教えていたことがあってね。僕はその頃からずっと日本に憧れていたから。」
私はその言葉に息を飲みました。長い間途絶えていた連絡が、こんな形で再び繋がるとは夢にも思いませんでした。
モハメッド氏はさらに続けました。「実は先月、ジャリル(ネクタローム社の社長)が僕に会いにマレーシアに来たんですよ。その時に、みきさんがネクタロームを日本で売っていることを初めて知ったのです。」
さらに驚くべきことが明かされました。「彼はね、大学教授をしているけれど、このビジネスがどうしてもやりたくて、僕がお金を出して国から広大な土地を買ったんですよ。それが今のオーガニックガーデンなんです。」
▲ネクタローム社のオーガニックガーデン
信じられない思いでした。
モハメッド氏が、ネクタローム社の創始者でもあり、社長の幼馴染であったとは。何年にもわたる時間を超えた再会が、私たちの物語を繋ぎ直したのです。この運命的な巡り合わせに、言葉にできない感動が胸を満たしました。
モハメッド氏が私に示してくれた道、そして彼との再会が、今日の私の原点でもあり、その恩は計り知れません。
人生は予測できない出来事や思いがけない巡り合わせが訪れ、驚きの連続ですが、それでもすべてが縁で繋がっていることだけは確かです。