モロッコのハマムで使われる「サボンノワール」。黒い固形石鹸を想像しやすい名前ですが、実際にはやわらかなペースト状の石鹸です。モロッコの伝統的な入浴文化では、ケッサと呼ばれる垢すり用のグローブと組み合わせて使われてきました。
サボンノワールとは
サボンノワール(Savon Noir)は、フランス語で「黒い石鹸」という意味です。モロッコでは「サボン・ベルディ(Savon Beldi)」とも呼ばれ、オリーブ由来の原料をベースにした、濃い緑色から黒褐色のやわらかな石鹸として知られています。
モロッコ政府観光局も、伝統的なハマム(Hammam)で使われる代表的な素材として、ガスール、ヘナ、ローズウォーター、植物、ケッサと並んでサボンノワールを紹介しています。
なぜ固形ではなくペースト状なの?
石鹸の硬さや質感は、原料や製法によって変わります。モロッコのサボンノワールは、一般的な固形石鹸とは異なる、なめらかなペースト状の質感が特徴です。製品によって配合は異なるため、購入するときは「サボンノワール」という名称だけで判断せず、全成分表示を確認することが大切です。
ハマムではどう使われる?
伝統的なハマムでは、温かい蒸気のある空間で体を温め、肌を濡らした状態で石鹸を使い、その後にケッサ(Kessa)で身体をこする流れがよく知られています。モロッコ政府観光局は、ハマムを石鹸洗浄とゴマージュを組み合わせた伝統的なウェルネス習慣として紹介しています。
家庭で取り入れる場合は、製品に記載された使用方法を優先してください。強くこすりすぎると肌への負担になるため、摩擦は控えめに。顔など皮膚の薄い部分への使用可否も、製品表示を確認しましょう。
ガスールとの違い
サボンノワールは石鹸であるのに対し、ガスールはモロッコで使われてきた粘土です。どちらもハマム文化と関わりがありますが、同じものではありません。サボンノワールは洗浄の工程、ガスールはクレイを使ったケアとして、それぞれ異なる役割で使われています。
ガスールについては「ガスールの使い方|顔・髪・ボディで使う基本と注意点」でも詳しく紹介しています。
モロッコ美容を知る入り口として
サボンノワールの魅力は、素材だけでなく、ハマムという暮らしの文化と一緒に受け継がれてきたところにもあります。洗う、温まる、肌を整える。日常のケアに時間をかける習慣を知ると、モロッコ美容の見え方も少し変わってきます。