アルガンオイルは、アルガン樹の果実の実から抽出します。アルガン樹の寿命は、約150〜200年で、30〜50歳になるまで果実が実りません。アルガン樹は、モロッコの限られた地域でしか生殖しないため、アルガンオイルはとても希少なのです。
7月から9月の間は、アルガンの実を取るのが難しいとされています。オリーブ樹のように機械で樹を揺らして取ることができないため、ベルベル人は実が自然に落ちるのを待つか、山羊の群れを使い、樹に登らせて落とします。アルガンの実は2年に1度しか実りません。水分はほとんど必要とせず、霧や露程度の水分で十分に育つのが特徴です。1本のアルガン樹でおよそ30キロの実が取れますが、たった1リットルのアルガンオイルしか抽出できません。
アルガン樹の果実は小さい楕円形または円錐形です。厚い皮が多量の果肉を覆い、新鮮な果実の重量の約25%に相当する硬い実を取り囲んでいます。
実には、1〜3種類のアルガンオイルが豊富な穀粒が含まれています。抽出方法により異なりますが、穀粒中のオイルの30%〜50%を抽出します。
抽出作業は生産プロセスの中で最も重要な段階です。穀粒を抽出するために、まず屋外でアルガン果実を乾燥させます。
伝統的な手作業
昔ながらの伝統的なアルガンオイル抽出作業は、最近までベルベル人の女性達が手作業で行っていました。地道に1個ずつ石を使って砕き、穀粒を取り出す方法です。この方法は非常に過酷で、衛生面でも懸念がありました。
機械での抽出に移行
現在では、かつて女性達の手で1個ずつ取り出していた地道な作業工程を機械で補えるようになり、天然成分を損なうことなく短時間で抽出ができるようになりました。除去した果肉は動物の飼料として使われます。
食用のアルガンオイルは、穀粒を焙煎した後、冷えてから粉砕し、オイルを取り出します。すりつぶされた穀粒から純粋で濾過されていないアルガンオイルが出てきます。この作業で残った豊富なたんぱく質を含む油粕は、牛の飼料として使われます。
コスメ用のアルガンオイルは、アルガンの穀粒にナッツの香りが付くのを避けるために焙煎されませんが、食用アルガンオイルとほぼ同じように生産されます。
デカンテーション(殿などの固形物を液体と分離するために、