編集後記 | 破棄したアルガンオイルを毎日全身に塗ってみた話
実は一度、大きな失敗をしています。
日本での需要を見込んで、アルガンオイルを大量に在庫保管していたことがありました。しかし、その年は想像以上に気温が高く、保管環境が十分とは言えませんでした。
遮光瓶に入っていても、夏場の温度は想像以上に影響します。香りや色にわずかな変化を感じ、「これは販売できない」と判断しました。
結果、そのロットは全て破棄することになりました。
正直、金銭的には大きな痛手でした。
けれど、廃棄する前にスタッフ全員で「せめて自分たちで使おう」と、古くなったアルガンオイルを毎日毎日全身に塗ってみたのです。
顔だけでなく、腕、脚、首、かかとまで。革靴やカバンのメンテナンスにも塗りました。(革製品はピカピカになりました)
驚いたことに、いつのまにか肌の乾燥が落ち着き、全身がしっとりと整っていきました。肌が乾燥しなかったのはその年だけでなく毎年です。不思議なことに加齢とともに肌が潤っています。
もちろん、時間が経過したオイルは販売すべきではありません。品質管理の基準は守る必要があります。
それでも、そのとき実感しました。
「これでこの保湿力なら、搾油したてのフレッシュなオイルはどれほど良いのだろう」と。
それ以来、必要以上の在庫を持たず、できるだけ空輸で新しいアルガンオイルを届ける形に切り替えました。
植物オイルは“腐る・腐らない”ではなく、少しずつ変化していくものです。だからこそ、できるだけ良い状態で届けたい。もちろん、少量ずつ輸入するので輸送費はかなり割高になり、利益は減ります。それでも、一番良い状態でお客様に使ってもらいたいのです。
あの失敗は、品質に対する姿勢を改めて教えてくれました。
そして今は、自信を持って言えます。フレッシュなアルガンオイルの心地よさは、やはり別格です。








