マラケシュの乾燥気候と保湿文化|なぜモロッコ女性はしっとりした肌を保てるのか
モロッコ・マラケシュと聞くと、砂漠、太陽、乾いた空気を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。実際、マラケシュは年間を通して降水量が少なく、湿度も低い乾燥地域です。日中は強い日差しにさらされ、朝晩は冷え込むこともあります。この寒暖差と乾燥は、肌にとって決してやさしい環境とは言えません。
それにもかかわらず、モロッコの女性たちは昔から美しい肌と髪を保ってきました。その背景には、乾燥と共に生きる中で育まれた「保湿文化」があります。
乾燥が日常だからこそ生まれた美容習慣
日本では、乾燥対策は冬だけ意識する方も多いですが、マラケシュでは一年を通して保湿が欠かせません。乾燥は特別な状態ではなく「日常」だからです。だからこそ、子どもの頃からオイルで肌を守る習慣が根付いています。
入浴後にオイルを塗る、朝の洗顔後にもオイルで整える、髪や爪にもオイルをなじませる。これらは特別な美容法ではなく、生活の一部です。肌を守るというより、「肌と共に生きる知恵」と言えるかもしれません。
アルガンオイルが支えてきた保湿文化
モロッコの保湿文化を語るうえで欠かせないのがアルガンオイルです。アルガンの木はモロッコ南西部の乾燥地帯にしか育たない希少な樹木で、その実から採れるオイルは古くから“黄金のオイル”と呼ばれてきました。
アルガンオイルには、ビタミンEや必須脂肪酸が豊富に含まれています。乾燥から肌を守り、水分の蒸発を防ぎ、やわらかさを保つ力があります。強い日差しと乾燥風にさらされる地域で、人々の肌を守ってきたのは、まさにこの自然の恵みでした。
「与えすぎない」シンプルケアの思想
マラケシュの伝統的な美容法はとてもシンプルです。何種類もの化粧品を重ねるのではなく、良質なオイルを少量使う。それだけで十分だと考えられてきました。
これは、乾燥環境の中で本当に必要なものだけを選び取ってきた結果でもあります。シンプルだからこそ続けられ、続けるからこそ効果が出る。この考え方は、現代のスキンケアにも通じるものがあります。
現代人こそ学びたい乾燥地の知恵
エアコンや暖房に囲まれた現代の生活は、日本にいても肌が乾燥しやすい環境です。季節を問わず肌のつっぱりやカサつきを感じる方も増えています。
そんな今だからこそ、乾燥地で培われた保湿文化は参考になります。高価な化粧品を増やす前に、「肌を守る」という基本に立ち返ること。洗いすぎない、与えすぎない、そして良質なオイルで保護する。このシンプルな習慣が、肌の調子を整える近道になることもあります。
乾燥は敵ではなく、付き合い方次第
マラケシュの人々にとって、乾燥は避けるものではなく、理解し、付き合うものです。その環境に合わせて知恵を積み重ねてきました。だからこそ、厳しい気候の中でも健やかな肌を保つことができるのです。
乾燥を完全になくすことはできません。しかし、守ることはできます。モロッコの保湿文化には、そのヒントがたくさん詰まっています。自然と共に生きる知恵は、時代が変わっても色あせることはありません。









